愛されたかった悪女
「デザイナーの、あぁジョシュア・アボットだったかな?彼がご執心らしいじゃないか?彼と過ごせばいい」


私は息を呑んだ。


「どうして……?」


「いつも慎重なのにどうしたんだ?パパラッチにあんな写真を撮られるとは」


あんな写真は裏で手を回して公開されないようにしたのに。


どうしてハヤトが知っているの?


「あれは違うの、みんなと一緒だったのよ、たまたまツーショットを取られただけなの」


今にも出て行きそうなハヤトの腕に指をかける。


「エス、もう俺の慰めは必要ないだろう」


そう言うと、彼は一度も振り向きもせずに出て行った。



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