愛されたかった悪女
ジョンは私からワイングラスを奪い、口に含み唇を重ねる。


飲みきれないワインがつーっと顎を濡らしていく。


「早くハヤトの奥さんがどんな女なのか教えて」


ジョンは肩を大きくすくめる。


「……綺麗と言うよりは可愛いタイプだよ 君とは正反対のタイプかな」


「そう、私とは正反対の女……」


そんな女、ハヤトはすぐに飽きるに決まっている。


「それに騙されやすそうな女だよ 英語も話せないんだ」


「そんなバカな子を妻にしたなんて……あきれるわ ハヤトに相応しくない」


「あぁ 隼人さんに相応しいのは君だよ エステル」


ジョンはそう言いながら、ドレスのジッパーを下げて行った。



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