愛されたかった悪女
けれど、私は分かっていなかった。


ハヤトの愛は妻である彼女にすべて注がれていることを。


再びジョンからの情報で、ホテルでパーティーが開かれることを知らされた。


さあ、エス 華々しく登場して、ハヤトには私しかいないという事を知らしめるのよ。


ドレスに気を使った。


私のスタイルを最大限に見せるドレスを。


パーティーの支度をしていると、部屋がノックされた。


ジョンであることは分かっていた。


まだハヤトは私がここへ来たことを知らない。


ドアを開けると、ジョンは感嘆の声をあげた。


その声は私を喜ばせる。



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