愛されたかった悪女
あの子は戸惑っていた。


彼から愛されているのに、気づかないバカな子。


気づかない方がいいのだけれど。


あの子は落ち込んだ様子で、ハヤトの元から離れて行き、テラスから出て行く。


近くにいたジョンもそれを見ていた。


私は彼に頷いて合図を送った。


私の合図と共に、ジョンは男性と話すハヤトをちらりと見てからあの子を追いかけた。


ジョンがうまく言ってくれればいい。


あの子が日本へ帰りたがる言葉を。


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