愛されたかった悪女
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午後になって、あの子はエステサロンへ行った。


出てくるのを待って、あの子の前に姿を見せた。


その時の彼女の驚いた顔ったら笑えたわ。


「ずいぶんゆっくりだったわね」


余裕の笑みを浮かべて言った。


「違うわよ、貴方に用があって来たの」


そう言ったら、更にあの子は驚いた。


座る様に言うと、あの子はこれから用があるって言った。


それくらい知っているわ。


これからディナークルーズに出かけるってことぐらい。


更に座る様に言うと、彼女は仕方なく座った。



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