愛されたかった悪女
彼女が座ると、私はバックの中から本を2冊取り出してテーブルの上に置いた。


その本が私の切り札。


「これは私の自叙伝なの 英語と日本語 私の言いたい事、分かるかしら?」


私が言うと、彼女の口から小さな悲鳴のようなものが洩れた。


すぐに私の言いたいことが分かったらしい。


「バカではないようね?」


私は満足の笑みを浮かべて言った。


「この中に……隼人さんとの事が……書かれているんですね?」


この子の全身が小刻みに震えるのを見て気分がいい。


「ええ、赤裸々にハヤトのことが書かれてあるわ 4年以上、付き合ったんですもの 書くことなんて山ほどね 出会いから、今までの事を包み隠さず」


「ど、どうしてそんな事を!?」


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