愛されたかった悪女
そんな彼に突然現れた妻。


あの時、素直になっていれば妻になっていたのは私だった。






******


「別れようって、いきなりどういうことなの?」


突然、ハヤトに別れ話をされた私はあ然となった。


彼とは24歳の時から5年近くもの長い年月を付き合っている。


出会いは友人を通じてのクリスマスパーティーだった。


退屈そうにパーティーを眺め、カウンターでバーボンを飲んでいたのが気になった。


東洋人にしては身長が高く、端正な顔立ちでモデルか俳優なのかと私は友人たちと話ながら、カウンターの彼が気になって盗み見た。


ここに来ているのだからセレブには間違いない。


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