愛されたかった悪女
「昨日は荒れていたね?気分は悪くないかい?」


「え、ええ 大丈夫」


「シャワー浴びてくるよ」


ジョンは私の頬に軽くキスを落としてシャワールームへ行った。


私はジョンの為に、ルームサービスに朝食を頼んだ。


少しして髪がまだ濡れているジョンが現れた。


「朝食を頼んでおいたわ まだ大丈夫でしょう?」


「ああ ありがとう 嬉しいよ」


ジョンはタオルで濡れた髪を乱暴に拭いている。


「そうだ、エステル」


「なにかしら?」


「ホテル買収は今日、決着がつきそうだよ」


「そう、合意に至るのかしら?」


交渉が決裂するのか、無事に合意するのか……。


「もちろん、合意の方さ」


ジョンはにこやかに笑った。


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