愛されたかった悪女
「ええ、今日にでも仕事が終わるでしょうから」


ジョンから知らされた情報を、優越感にひたりながら言う。


そんな自分が滑稽でおかしく感じてしまう。


「なぜそれを知っているんですか……?」


この子は不思議そうに眉根を寄せて聞いてくる。


自分だけが知っていると思ったら大間違いよ。


私がジョンと深いつながりがある事をまだわからないようね。


「まだ気づかないお馬鹿さんには教えてあげないわ さあ、行って 話は終わりよ」


私は犬や猫を追い払う様に、彼女に部屋を出て行くように言った。


彼女は何か言いたそうだったけれど、何も言わずに出て行った。


彼女が出て行くと、私はサングラスを手に部屋を出た。


これから空港へ向かわなくてはならない。



< 71 / 116 >

この作品をシェア

pagetop