愛されたかった悪女
ハヤトはブロンド好きかしら?


鏡の中に映る自分の髪にそっと手を入れ梳く。


きっと、気に入ってくれるはず。


私は鏡の自分に向かって微笑んだ。


そこへノックの音と共に、いま勢いのあるサーシャ・ヴァシレフが付き人と共に入ってきた。


私がいるのを見て、「あっ」と言う表情になったが、すぐににっこりと笑みを作った。


そして頭を下げて口を開く。


「いらっしゃったとは気が付きませんでした いつパリに?」


「昨日よ」


サーシャ・ヴァシレフはシルバーブロンドの緩やかな巻き毛が小さな顔を取り囲む、見た目は天使のような娘だ。


この子もゴシップ誌をにぎわせる常連。


たしか年は20歳……肌はまだピンと張っているのが遠目でも分かる。


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