愛されたかった悪女
＊＊＊＊＊＊


ショーは大成功した。


私も喝采を浴びたけれど、一番の賞賛されたのはサーシャだった。


彼女の若さにそろそろ私も勝てないと悟った時だった。


サーシャは本当に女神のように綺麗だった。


特に嫉妬心はない。


私はハヤトと結婚して、子供を産むために引退するのだから。


ひとり笑みを浮かべ、ニューヨークへ戻る支度を始めた。


＊＊＊＊＊＊


ニューヨークの空港に到着し、ゲートから出るとたくさんのフラッシュを浴びた。


テレビカメラも来ており、私を撮っている。


お気に入りのサングラスで顔を隠し、カメラに向かってにこやかに手を振る。


こんな出迎えられ方も悪くない。


自分がまだトップモデルだと認識させてくれるから。


これから私にはやることがある。


アパートメントに戻った私は、ジョンにメールをした。


< 81 / 116 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop