愛されたかった悪女
ドンドンドンドン――――。


なにかを叩く音……その後に、インターホンのチャイムが朦朧とする私の耳に入って来た。


意識が現実に引き戻される。


身体を起こすと、ズキッとした痛みで頭が痛めつけられる。


「っう……」


手のひらを眉間にあてると、またうるさい音が聞こえてきた。


「エステル!エステル!」


私を呼ぶ声……。


ハヤトではない声。なぜか必死に聞こえる。


私はふらふらとソファーから立ち上がると、玄関に近づく。


その間も、チャイムや叩く音。


私は玄関のカギを解除し、ドアを開けた。


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