愛されたかった悪女
封筒に伸ばす手が震えている。


その手を一度ギュッと握り拳をつくり震えを抑えようとした。


息苦しさを感じて、大きく深呼吸を繰り返す。


封筒から中身を取り出し読んでいく。



――ジョンの言う通り、私の過去……忘れていた男までも書かれていた。


相当優秀なこの種のエキスパートを雇ったみたいだ。


内容を読みながら、心の雲がかかっていたのが消えていく感覚。


私は今まで何をやっていたのだろう……。


トップモデルに登りつめても、心は満たされていなかった。


男は私を戦利品のように抱いた。


私も快楽に溺れる……。


自分が汚れているように思えてきた。


「……ジョンはこれを読んで……私に幻滅したでしょう?」


「……」


「ひとりになりたいの……もう帰ってくれる?」


辛そうな表情のジョンを見ていると、今すぐ教会に行き、懺悔したくなる。


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