あの空の距離まで


「な、何もしてへんよ。ただ下見たいだけやし」

そう言いながら彼女は上っていたフェンスから下りた


「ふ〜ん。下見たいんやったらフツーに窓からでエエやん」

「う、うっさいわ!別にここでもエエやんか!!」

彼女は口を膨らませて俺を睨む


「まぁそやな。でも迷惑なん」

「な、何がよ!??」

「お前……自殺しようとしょったやろ」

ヤマカンで言った“自殺”という言葉
その言葉に彼女はビクッと反応した


「そんなこと……あるわけないやん…」

声が震えてきている
どうやらマジらしい


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