蜜柑の香り
「…彼女にでもふられたん?」

ノボルが少し考えて出した結論にケイは楽しそうに笑う。

何が楽しいのか分からないくらいに笑いまくった後で、

下を向いたまま

「…辞めたないなー、バンド。」

小さく呟くと顔を上げて凄く、悲しそうに笑うケイに、

「ケイは…「あー暑いなぁ!!何やねんこの暑さは。」

何かを言おうとして開いたドア。一気に騒がしくなると、思わず黙り込んだノボルに、

ケイは苦笑いを浮かべた後いつものようににっこり笑った。

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