桜鈴学園
拓也が教室に帰ってきたのは、
4時間目の終わりの方だった。
ガラ―――
「こら、拓也!どこいってたんだ!?」
社会科の先生がいかにも寝起きっぽい拓也に怒鳴る…
「あー。保健室にいました。」
嘘臭ッ!!
先生もそう、思ったのか
「嘘つけ…はあー。
いいから席つけ…」
先生、思いっきりため息ついてるよ。
「さーせん。」
隣の席の拓也にひっそりと声をかける。
「朝は、大変だったんだからね?!」
「…悪かったな、」
珍しく拓也が謝ってきたから
なんとなく、返す言葉が見つからず
「…………」
ただ、授業が終わるのを待っていた。