魔女の悪戯
クリスティア城
一夜明けたクリスティア王国は、大騒ぎになっていた。
と、言うのも。
クリスティア王国第一王女・ラミア王女と、カルボーロ王公国王太子・カイル王子との婚約が正式に決まったからである。
ただし、王族の間では結婚の日取りまで決まっているのだが。
ラミア王女が断固拒否して、婚約までもっとかかると思っていた両国の王は、ラミア王女がすんなり、…かどうかはわからないが、早々に承諾した事によって狂喜乱舞し、
とにかく二人が既に仲睦まじいと勘違いして、結婚を前にラミア王女をクリスティア城からカルボーロ城に居を移すことを勧めた。
それには、ラウロ王子がなぜか反対したが、カイル王子とラミア王女は勧められるままに従った。
引っ越しはその日の内に、ラミア王女がカルボーロ王公国に出発し、身の回りの物は後を追う形を取ることにしたため、午後からクリスティア王国を立つパレードが行われることになった。
この縁談のために訪問していたカルボーロ王とカイル王子も一緒に帰ることになり、クリスティア王国は大忙しとなった。