本当の恋を教えて
「これなんだ!」
筑紫さんが指差す先には、綺麗なコスモスがあった。
「綺麗だね。わざわざ持ってきてくれたんだ。」
学校にわざわざ花を持ってきてくれる人なんかめったにいない。
もともと花は結構咲いてる方だからね。
「どうしてもこのコスモスを見てほしかったんだ。」
またスマイルをみせながら私に言った。
ん?私に?
不思議に思って首をかしげて筑紫さんをみた。
「見て、白いコスモスの中に一つピンク色のコスモスが咲いてるでしょ?」
確かによく見ると一つだけピンク色のコスモスが咲いていた。濃いピンクが目立っている。
「そのピンク色のコスモスがなんかクラスにいる奏崎みたいなんだよね。」
「どういうこと?」
「見立たないようにしてても俺から見たら一番綺麗に輝いているところがね。」
?なんだかさりげなく誉められているの!?
いやいや…でも私にこんなこと言うはずないし…
きっとなにかの間違いだよね…
「私…なんかをそういうふうに私を励まさなくて大丈夫ですよ。こんなに暗くて地味でしょうがないひとは放っといて大丈夫ですから…」
きっと励まして私を元気付けようと思ってくれたんだと思う。でも大丈夫です。もう私なんか放っといて…