本当の恋を教えて
かげで見ていた最初に捕まった女性の話によると、筑紫さんがサッカーボールを器用に操りうまくナイフを弾き飛ばしたらしい。
不審者は女性が通報し警察の人と署に行ったそうだ。
「あっ…あり…ありがとう。助けてくれて。」
「うん。大丈夫?震えてるけど…」
「え?」
私は、死の恐怖やセクハラの怖さに足が震えていた。確かになんだか力が抜けている気分。
「こんなに暗くなってるのに何してたんだ?」
「おとっ…お友達としゃべっ…う…」
グラッ…
「おっと…。大丈夫か?」
ついに立ってることも辛くなり倒れてしまった。
固い地面に倒れているはずなのに気づいたら筑紫さんの腕の中に入っていた。
「すみません…寄りかかってしまって…」
「いいよ。ゆっくりやすんでね。」
「すみません…」