ファーストラブ
え…、いや …
あれって はるちゃん?
啓之の話しなんてそっちのけで
彼女の声に聞き入った。
名字は変わっているが、
あれは間違いなく はるちゃんだ。
あの屈託のない笑顔と
パッチリした大きな瞳。
そう、
俺の初恋の相手。
そして、小学校での唯一の友達。
『おいおい、武瑠ー?
転校生に惚れちゃったか?』
へらへら話す啓之を一発殴り
彼女を見つめていると
彼女と目が合った。
でも、すぐに逸らされた。
覚えてるわけないよな。
少し期待した自分が
恥ずかしくなりながら
啓之との会話を再開した。