素直になりたい。
「えー、恥ずかしくて無理だよ! 悠李だって頭いいんだから、悠李が教えてよ~」
そう! 悠李も速都といい勝負なくらい頭がいい!
…部活だってしてるのに。
「だめだよっ、素直になれるいいチャンスじゃん!」
「そう言われても…」
「せっかく、学校が同じなんだから… もったいないよ…」
そう言う悠李は、さっきの勢いとは裏腹に、今にも泣きそうな顔だ。
悠李は中学校が同じで、今は他校の子に、未だに片想いしている。
詳しくは分からないけど、友達と同じ人を好きになって、
告白しなかったことを、今でもとても後悔している。
“涼音には後悔してほしくない”
これが悠李の口癖だった。
「…そうだよねっ、あたしも頑張らなくちゃね」
「うん…。頑張ってね…!」
悠李も頑張ってね……。