‡月夜に一度だけ‡
『レオ・・・・!』
タタタとシルクが駆け寄り、俺に抱き着く。
「シルク。走っても平気なのか?」
『平気よ。何歳だと思っているのよ。』
プクゥと頬を膨らませる。
可愛い。
「15歳くらい?」
シルクの目が大きく開く。
『どうしてわかったの?』
どうしてかな?
「俺だって16歳だよ。」
『本当?私もっと年上かと思ったわ。』
「老けてる?」
『ううん。大人っぽいから・・・・///』
「クスッ・・・・そう?ありがとう。」
赤くなるシルクがとても可愛い。
「明日・・・・」
『明日?』
俺は片膝をついてシルクの手をとった。
そして、そっと唇をつける。
「明日、俺は人間になれる。だから、一日中一緒にいてくれますか?姫。」
『クスッ、よろこんで。王子様。』
二人で笑い会う、幸せな日々。
明日、残酷な事が起こるなんて知らずに・・・・
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