シャボン玉の恋
ウソの気持ち
「―…さん!」
誰かが私の夢の中で怒ってる声がして、
私はうっすらと重たい瞼を開けた。
「日色(ひいろ)さん!
早く問題を解きなさい」
「―…どこ?」
冷静に応えた私の反応に腹を立てたのか知らないが、
国語の女教師は逆三角形のメガネを持ち上げ、
「廊下に立ってなさい!」
「はい、はい」
「はい。は一回よ!」
ったく、煩い先生。
毎回寝てる私も悪いかもしれないけど。
私は
『誰かさん』
の様にテストが追試になった事は一度もないの。
ガラッ…っとドアを
開けると横には、海路が立っていた。
「なにしてんの?」
「立たされてんの」
どう、見ても座ってる様にしか見えない。
「ねぇ、ハイジ?」
「ハイジじゃねーから!
俺は海路っ!」
「どっちも同じだよ」
「お前が言うと
クラスの連中も真似するから嫌なんだよ!」
「だから?」