監禁恋情
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父親が大きなドアに手を掛け、ゆっくりと開くのを見ていた。
屋敷と呼べるほど大きな家の一角にあり、最も凝った作りのその部屋は、母と父の私室だった。
「静(しずか)。」
父親が呼んだのは、母の名前。
見つめる視線の先にはベッド。
そして、そこに座り込む1人の女性。
「奥様…」
自分と、それから兄の言葉を代弁するように、和樹が呟いた。
「あら、おかえりなさいあなた。
そちらの2人はお客様?
幹久、紀一、ご挨拶なさい。」
そう言って、整えれば、年相応には見えない顔だちのはずでも、寝巻きと乱れた髪によって老け込んで見える顔を、手元の2体のぬいぐるみに向けた。
「か…」
母さん。
そう言おうとした瞬間に、兄が呟いた。
「母上。幹久は俺です!
一体どうしたんですか!」
と、乱暴に詰め寄ろうとした。
「な…誰ですのあなた。
子供たちが驚いてしまいます、大きな声を出さないで下さい。」
母の怯えたような表情に、兄は言葉をなくした。
「静。すまないね。
また、夕食の時に、会いに来るよ。」
「ええ、晴仁(はるひと)さん。
待ってますわ。」
今度はまるで少女のように、父に対して顔を赤らめた。
そして、自分は何も言えないまま、4人で部屋の外に出た。
父親が大きなドアに手を掛け、ゆっくりと開くのを見ていた。
屋敷と呼べるほど大きな家の一角にあり、最も凝った作りのその部屋は、母と父の私室だった。
「静(しずか)。」
父親が呼んだのは、母の名前。
見つめる視線の先にはベッド。
そして、そこに座り込む1人の女性。
「奥様…」
自分と、それから兄の言葉を代弁するように、和樹が呟いた。
「あら、おかえりなさいあなた。
そちらの2人はお客様?
幹久、紀一、ご挨拶なさい。」
そう言って、整えれば、年相応には見えない顔だちのはずでも、寝巻きと乱れた髪によって老け込んで見える顔を、手元の2体のぬいぐるみに向けた。
「か…」
母さん。
そう言おうとした瞬間に、兄が呟いた。
「母上。幹久は俺です!
一体どうしたんですか!」
と、乱暴に詰め寄ろうとした。
「な…誰ですのあなた。
子供たちが驚いてしまいます、大きな声を出さないで下さい。」
母の怯えたような表情に、兄は言葉をなくした。
「静。すまないね。
また、夕食の時に、会いに来るよ。」
「ええ、晴仁(はるひと)さん。
待ってますわ。」
今度はまるで少女のように、父に対して顔を赤らめた。
そして、自分は何も言えないまま、4人で部屋の外に出た。