監禁恋情
††††††††††††††††††





なんて、逞しくなったのだろう。

帰って来た紀一を眺めて、さくらは思った。

きっとさくらの知らない土地で、
紀一は戦って来たのだろう。

そして、本当に逞しくなって、さくらの元に帰って来た。

ちゃんと、帰って来てくれた。


それだけで嬉しくて、さくらは涙を零した。

「泣くな。」

優しく髪を撫でるその手が愛しくて。

「紀一さぁんっ。」

情けなく名前を呼んだ。
< 113 / 125 >

この作品をシェア

pagetop