監禁恋情
ははっと笑って、手をひかれた。

裸足のまま、庭先に降りる。

「ほら見ろさくら。これが桜だ!」

見慣れたその花も、
あなたと一緒に見るのでは全く違って。

ああなんだか。

ちっとも悲しくなんかないわ。

「紀一さん。」

あなたと共に過ごす春を
一生懸命に感じた。

「さくら。
一緒に生きよう。

たとえ花が咲かなくなっても、
たとえ君が骨だけになっても、


俺は君を、君の生きるこの世界を、
愛し続けると誓う。」
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