監禁恋情
夜
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男は、ソファに座っていた。
風呂から上がって、外が真っ暗になる時間まで、そこから動かなかった。
少女は先程無言で食事を済ませ、今は風呂に入っているらしい。シャワーの音が聞こえる。
寝室の掃除を終えてから、全く自分にたいして喋りかけなくなった。
別に気にはしていないが、恐らく、寝室の写真を見たのだろうと予想する。
自分が、精神科医だった頃の写真。そして、となりの彼女を見たのだろう。
自分が精神を病み始めた頃、精神科医だった自分は、睡眠薬を大量に飲み、自殺を謀った。
失敗はしないはずの自殺だった。
しかし、死に切れなかった。
病院を辞め、実家に帰り様々な自殺を試したが、それでも死に切れなかった。
そうして、この部屋で、今こうしている。
なぜ、神は自分を生かすのだろうか。
彼女のいないこの世に、未練などないというのに。
…愛…。