天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
「派手にやらかしたらしいじゃないの」

寒風が吹く学園の屋上。

この季節になると寒さで生徒は誰も上がって来ない。

昼食をここでとろうと考える者は皆無だ。

それだけに秘密の話をするにはちょうどいい。

ゆりと宴には都合のいい場所だった。

「派手に?私は啓太先輩と遊びに行っただけですよ」

愛らしく微笑むゆり。

(よく言う…可愛い顔してとんだ悪女ね、この子…)

内心ニヤリと笑う宴。

「でも…もしあの会場にアリスカ先輩がいたとしたら、誤解させちゃったのかしら…最近学校に来ていないみたいだし、心配です…」

しかし、ゆりはあれ以降啓太と接触してはいない。

彼女の目的は『アリスカと啓太を引き裂く事』だけ。

別に啓太を奪いたい訳ではないのだ。

後は二人がどうなろうと興味がない。

弱りきってしまったアリスカが、宴によってどんな扱いを受けようと…。

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