天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
その言葉が。

『考えすぎなんだよ、悩みすぎ』

『もっと無心になってごらんよ』

そんな真晝のアドバイスのように、アリスカは感じられた。

「…………」

言うだけ言って、真晝はまた本に視線を落とす。

アリスカの方を見もしない。

しかし、彼女が言いたい事は伝わったような気がした。

啓太がゆりの事を好きだとか、幸福少女の事を好きだとか、そんな事はどうでもいい。

もっと肝心な事がある筈だ。

『アリスカは啓太の事をどう思っているのか』

もっと啓太に自分の気持ちを押し付けてもいいのではないか。

…勘違いかもしれない。

しかしアリスカは、真晝にそう言われたような気がした。

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