天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
驚きはした。

それでも警戒しなかったのは、その声に殺気も何も感じられなかったから。

見れば、図書委員が座る席の机に、淡い色の髪の少女が腰掛けていた。

机に積み上げられた教科書や参考書。

それらを押し退けてチョコンと座った姿は、どこか儚げにさえ思える。

江李 真晝(えんり まひる)。

あまり見かけない顔なのは、この1年生が図書室に入り浸る傾向にあったからだ。

弓道、柔道、剣道全国制覇とずば抜けた能力を持ちながらも、どちらかと言えば図書室にいる方が本人は好きだった。

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