天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
その日の放課後。

龍娘はアリスカを残らせて生徒指導室の大掃除、しまじろうは啓太を残らせて社会科教材運びを指示した。

無論、お初が裏で一枚噛んでいるのは言うまでもない。

「すまんなアリスカ、わざわざ居残りさせてしまって」

普段から事務机の上を散らかしている龍娘が言うと。

「平気です、帰ってもどうせやる事ないですから」

箒で床を掃きながら、アリスカは微笑んだ。

…確かに笑うようになった。

だが、アリスカは前よりもどことなくつまらなそうにしている。

前ならば居残りを命じると、少しばかり嫌な顔をしたものだ。

その顔には分かりやすく『啓太と電話する時間がなくなっちゃう!』と不満が書いてあったものだが。

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