天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
12月24日。

クリスマステロ。

二学期最後のビッグイベントという事で、大勢の生徒が体育館に集まっていた。

名前の物騒さに反して、笑顔ばかりの幸せそうな面々が集うパーティー。

豪華な料理や、華やかな衣装を纏った女子生徒達が華を添える。

そんな中。

「あっち、あっち行ったらお餅あるかも!」

アリスカと啓太の姿もあった。

あれだけ『私達は只の友達だから』と公言して憚らなかった二人が、多くの生徒のいる前で手を繋いでパーティーを回っている。

その様子を。

「あれれれれ…」

ゆりはケーキを食べながらつまらなさそうに見る。

「松原先輩、キッチリトドメ刺さなかったんですか?アリスカ先輩と啓太先輩に」

「馬鹿言うんじゃないよ」

呆れたように溜息をつく宴。

「私の方がトドメ刺されるとこだったんだ…私は金輪際あの二人には関わらないよ」

「ふぅん…」

少し気に入らなげに唸るゆりだったが。

「まぁいいや…なら私はまた別のカップルにでもちょっかい出そうっと」

そう言って全く懲りてない様子で、機嫌よくスイーツを口に運ぶのだった。

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