天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
翌朝。

イマイチよく眠れないまま登校したアリスカは。

「……?」

周囲の不可解な視線に気づく。

何故だか、どこか憐れむような、気の毒なような視線を向けられるアリスカ。

身に覚えのないまま、いつものように教室に足を運ぶと。

「田中君、話は本当の事ですか?」

「え、いや、その…」

生徒会長に詰め寄られる啓太が、しどろもどろになっていた。

「ちょっ…どうしたの啓太?」

いつも冷静な生徒会長が、大人しい啓太に詰め寄るとは穏やかではない。

慌てて止めに入るアリスカ。

「どうもこうもないです、アリスカさん」

生徒会長は傍らに立つネコミミメイドに視線を向ける。

促されたネコミミメイドは、声を潜めながら。

「田中君が昨日、幸運体質少女とデートをしていたという情報が、校内でまことしやかに囁かれております」

恭しく頭を下げながら言った。

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