天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
これだけ長い間一緒にいる時間があって、嫌になったならいつでも離れる事ができた筈なのだ。

なのにアリスカは啓太と一緒にいるし、頻繁にメールや電話もする。

好意以外の何だろう。

ここまでされて、まだ自信が持てないとは…。

「あんまり謙虚すぎるんもどうかと思うで?ウチが読心術見せてやろか?」

「読心術?」

首を傾げる啓太。

そんな能力は生徒会長しか持っていない筈だが。

「アリスカの心の中を読み当ててやるねん」

そう言って、あーうーとインチキ臭い演技を見せる琉。

「ん、わかった」

彼女はコクリと頷く。

「『啓太はそんな関係に嫌気が差したのかな…私がハッキリしないから…幸福体質の彼女といる方が、ラッキーな事も沢山起きて楽しいだろうし…』」

おいおい、マジ的中だよ。

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