天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
…何故啓太だなどと思ったのか。

先日から啓太とは口もきいていない。

こんなタイミングでアリスカを助けてくれる筈もない。

そもそも啓太は、アリスカの事を呼び捨てにはしない。

事実、言い寄られていたアリスカを助けたのは。

「ゲッ、功刀!」

近くの技術室から出てきた巨躯の男に、男子生徒はギョッとする。

「ダセェナンパしてんじゃねぇよ小者が。おら、さっさと失せろや」

「な、何だよ功刀…文化委員長の癖にそんな口の利き方していいと思ってんのか?」

食い下がろうとする男子生徒だが。

「ほぉ…?」

功刀は拳をゴキゴキと鳴らす。

「天神学園にゃ教師にも武闘派がいるからな…武闘派の生徒会役員がいてもおかしくねぇと思わねぇか…?」

< 43 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop