天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
「イライラするものねぇ…くっつかないなら別れちまえってね」

背後で声がして、ゆりは振り向く。

…どことなく妖艶な雰囲気を漂わせる、女子生徒が立っていた。

「2年の松原 宴よ。ええと…」

「ゆり…1年の斉藤 ゆりです」

「ゆりちゃんね…なかなかいい性格しているじゃないの…陰からコッソリ破局に導くなんて…」

「あら…」

クスクスと笑うゆり。

「酷いです松原先輩…私はあの二人に刺激を与えて、ぬるま湯の関係に発破をかけてるだけですよ…ま、その結果…」

ゆりの口角がつり上がった。

「刺激が強すぎて二人が別れてしまっても、私の責任じゃないですけれど…」

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