天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
やがて有耶無耶のうちに予鈴が鳴り、ゆりは教室へ帰り、アリスカ達は席に着く。

こういう時、同じクラスというのは気まずいものだ。

言葉を交わさず、視線すら交わさない。

ほくそ笑むのは同じクラスの不幸少女ばかり。

ホームルームが終わり、一時間目が終わる頃。

「……」

いたたまれなくなったアリスカは、啓太に何も告げずに教室を出て行った。

周囲の生徒達の痛い視線を浴びつつ、廊下を歩き、階段を昇り、渡り廊下を渡って…。

「はぁ…」

手摺りにもたれ掛かって深い溜息。

そんな溜息を掻き消すかのように。

「!」

バイオリンの調べが聞こえてきた。

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