天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
対する啓太も、ジリジリしていた。

(何で何も訊かないんですか?アリスカさん…)

わざわざ電話をかけてきたのは、誰にも邪魔されない二人きりでの会話が出来るから。

そして邪魔されずに話したいのは、大切な話だから。

今、二人にとって大切な話といえば一つしかない。

なのにアリスカは訊かない。

何も訊かない。

(アリスカさんは…僕が誰と会っていても何とも思わないんですか?気にならないんですか?)

そう思うならば自分から釈明すればいいのに、自意識過剰な気がして、それをさせない。

言い訳じみている気がして、啓太から話す事は憚られた。

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