天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
(話してよ、啓太…)

(訊かないんですか?アリスカさん…)

どちらも意気地がない。

この度胸のなさが、二人の関係をますます悪化させる。

ほんの少し勇気を出せば、翌日からはまた笑顔で会えたというのに。

…翌日が休みという事もあって、二人は明け方まで話し込んだ。

しかし、肝心な事は何一つ話せず、訊き出せないまま。

結局。

「じゃあ…おやすみ、啓太…」

『おやすみなさい…アリスカさん』

何の成果もないまま、二人は悶々とした夜を明かす事となった。

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