天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
「あ、あんたには関係ないでしょ…」

ブランコを揺らしながら俯くアリスカ。

「……」

ようやくバイオリンを弾くのをやめ、和音は彼女の顔を見た。

「らしくないじゃないか…例の恋人の事かい?」

「…………」

『啓太は恋人じゃない!』と切り返す余裕もないらしい。

堪えているつもりだろうが、アリスカは涙目だ。

そんな彼女にハンカチを差し出し。

「これで涙を拭いたら、もう泣くのはお止し、アリスカ」

優しいが気障な台詞を口にする和音。

恥ずかしいなお前。

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