天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
「……ありがと…」

こういう時、人の優しさに触れるのは非常に切なくなる。

ハンカチを受け取るだけで決壊してしまうアリスカ。

「…少し考えすぎなのかもしれないね、君は」

苦笑いしながら、和音は呟く。

「好きで好きでたまらなくて、恋焦がれて恋人の事ばかり考えて…心に休息を与える時間などなかったのだろう?君には少し『恋愛休暇』というものも必要なのかもしれないね」

言っている事はなかなかに正しい。

「少し恋人の事から頭を離してみてはどうだい?恋や愛は大切だけど、そればかりでは心に栄養が偏りすぎる事もある。精神のリラックスも必要なのだよ、迷える天使アリスカ」

しかしいちいち歯が浮く台詞だ。

< 75 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop