天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
先日、和音に友人との時間を過ごして気晴らしするのもいいと言われたばかりだ。

啓太はこういう格闘技観戦はあまり興味がないと言っていたし、会場で鉢合わせるような事もないだろう。

「じゃあ、私も一緒に行こうかな?」

「ほんと?」

小夜と雛菊が目を丸くする。

『じゃあ龍娘先生に言って、チケット三枚融通してもらいますね。龍娘先生、トーナメントの審判もするらしいですから』

「うん、お願い」

頷くアリスカ。

この二人とならば、啓太の事は少し忘れて、気分転換できるかもしれない。

…この時は、そう思っていた。

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