天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
「うっ…うう…うぅうぅぅ…っ!」

崩れるようにその場に蹲った。

もういいだろうか。

みんな部屋から遠ざかっただろうか。

雛菊は隣の部屋だ。

大声を出したら気づかれてしまう。

だから…。

「ひぐっ…ううっ!…うぁああぁあっ…!」

出来る限り声を殺して。

嗚咽を何とか押さえ込んで。

誰にも気づかれないように。

アリスカは玄関に崩れたまま泣きじゃくった。

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