光の射す方へ
茜色の空
私は恐ろしく前を向いていた。よく言えばポジティブ、悪く言えば頑張りすぎーとでも言えよう。
悪いこと、ムカつくこと、イヤなことはすぐに忘れられる素晴らしい性格で、いつもニコニコ笑顔で明るい元気な介護士だった。
ある日久しぶりにナオに会った。20歳になった私たちは居酒屋で積もる話を延々とした。
ナオは普通の大学生、私は普通の介護士。楽しく話した。イヤなことも、グチも笑って話した。明らかに私は幼少時代より明るく頼もしく、そして普通になっていた。そんな私にナオは言った。
「何アヤ気持ち悪い。」
「えっ?!」
「気持ち悪いよアヤ!イヤな時はイヤな顔して、ムカついたら怒ればいいんだよ!」
ナオは私の目尻を指でグイッと吊り上げて言った。
「頑張りすぎ!肩の力を抜きなよ!」
ーこの子にはかなわないなー
いつか思ったことのあるこの感じ。なんか懐かしいな。と思いながら、ビールを呑んだ。
そうしてると、今アズサちゃんはどうしているのかと気になった。
ナオと2人で探しあて、数日後、アズサちゃんの消息がわかった。探しあてた電話番号にかける前に空を見上げた。
空を見上げるとキレイな茜色の空だった。またアズサちゃんと繋がっていけるー
《アズサちゃん、今の私は充分に誇れるんだ。だから会いたいな。》
そう言おうと心に誓った。
プルルプルル…
「ハイ」
ーアズサちゃん、アズサちゃんにも、このキレイな茜色の空が見えてる?私なんだかこんな色が好きみたい。なんかパッと明るいわけでもない、なんか黒色も入ってるような…でもこの色はキレイなんだよねー
悪いこと、ムカつくこと、イヤなことはすぐに忘れられる素晴らしい性格で、いつもニコニコ笑顔で明るい元気な介護士だった。
ある日久しぶりにナオに会った。20歳になった私たちは居酒屋で積もる話を延々とした。
ナオは普通の大学生、私は普通の介護士。楽しく話した。イヤなことも、グチも笑って話した。明らかに私は幼少時代より明るく頼もしく、そして普通になっていた。そんな私にナオは言った。
「何アヤ気持ち悪い。」
「えっ?!」
「気持ち悪いよアヤ!イヤな時はイヤな顔して、ムカついたら怒ればいいんだよ!」
ナオは私の目尻を指でグイッと吊り上げて言った。
「頑張りすぎ!肩の力を抜きなよ!」
ーこの子にはかなわないなー
いつか思ったことのあるこの感じ。なんか懐かしいな。と思いながら、ビールを呑んだ。
そうしてると、今アズサちゃんはどうしているのかと気になった。
ナオと2人で探しあて、数日後、アズサちゃんの消息がわかった。探しあてた電話番号にかける前に空を見上げた。
空を見上げるとキレイな茜色の空だった。またアズサちゃんと繋がっていけるー
《アズサちゃん、今の私は充分に誇れるんだ。だから会いたいな。》
そう言おうと心に誓った。
プルルプルル…
「ハイ」
ーアズサちゃん、アズサちゃんにも、このキレイな茜色の空が見えてる?私なんだかこんな色が好きみたい。なんかパッと明るいわけでもない、なんか黒色も入ってるような…でもこの色はキレイなんだよねー