光の射す方へ
兄との生活
兄と2人の生活が始まった。
兄には大変な借金があった。私は有り金をみんなつぎ込んだがそれでも足りない。本当に逃亡者をかくまっている…そんな生活だった。


彼氏には正直に言った。私はもう別れられても仕方がないと覚悟していたが。彼はとてもとても動揺していたが、

『アヤが思うようにやればいい』

そう言って抱きしめてくれた。



兄には彼女がいた。暴力団関係者だ。彼女から何度も私に電話があった。
私は女優になった。

シラを切り通し、父だけでなく兄も同様に蒸発した可哀想な女を演じた。時には泣き、兄を罵倒し、その女に相談するふりをしてよく会った。そして一緒に探すふりをした。

彼女は疑いもしなかっただろう。まさか私がかくまってるなんて…


しかし、しつこい女だった。何度も何度も兄の行方を探しに私を訪ね、居所は知らないかと聞きにきた。


とうとうバレた。

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