俺はその時、どう行動するか。
「相良様」
しかし麻生さんに呼び止められ俺は振り向く。
「なんですか?」
「………」
麻生さんは俺に向かってゆっくりと手を差し出した。
「!!」
まさか……
このじじぃのこの動作は?!
信じられない思いで麻生さんを凝視すると、俺の予想を肯定するように麻生さんはコクンと頷いた。
…!!
ふざけんな!!
またチップか!
さっき一万も渡しただろーが…!
しかし断って万が一秘密をバレされてしまうことを考えると、俺は麻生さんに逆らえない…。
「はぁ…」
俺はため息をつきながら財布を取り出す。
こんなホテルにはもう二度と泊まらない…
麻生さんは嫌いな人リストに再決定(しかも上位)だ。
てか、これはもうカツアゲじゃないのか?
俺は毒づきながら財布を広げた。