俺はその時、どう行動するか。
売店に行くと綾音はレジで『白熊の恋人』を買っているところだった。






あのパクりクッキーを買ってしまったか…。


まぁ、友達とのネタにはなるよな。




「ゆ、悠人さんどうしたんですか?怖いですよ…」


「え?」


「いえ、あの、お顔が」



俺の顔は麻生さんに2万円カツアゲされたことにより盤若のような形相のままだったらしい。


綾音は心配そうに俺を見上げた。




「あ、いやゴメン、な、何でもないよ」


「そうですか?」


「うん…ははは」




俺が慌てて顔を元に戻し小さく笑うと、綾音も安心したように笑顔に戻った。




…綾音を睨み付けてどーすんだ。


俺はなんとか麻生さんの勝ち誇った笑顔を頭の中から掻き消した。

< 114 / 224 >

この作品をシェア

pagetop