俺はその時、どう行動するか。
おネエなバーテンダーはグラスを回すと、俺と綾音の前にシャンディガフを置いた。





「おまた」



照明にグラスが照らされ琥珀色の細かい泡がキラキラと煌めいている。





「じゃあ…乾杯しようか」



俺はグラスを持つと綾音に向けた。



「ふふ、何に乾杯します?」


「んー、じゃあ俺と綾音の出来すぎた出逢いに…かな」





偶然、飛行機で乗り合わせただけの関係のはずだったのに


何か運命の糸に引っ張られるようにして、ここまで辿り着いた。


明日には赤の他人に戻るのに。


この出会いに何か意味はあるんだろうか?


何か意味があるのなら、俺はどうするべきなんだろうか。







「乾杯」




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