俺はその時、どう行動するか。
「え?悠人さん、どうしたんですか?」



そんな俺に綾音は驚いたらしい。



「ご…ごめんなさい!私が変なこと言ったせいですね!本当にもう忘れて下さい!」



心配してくれる綾音に、俺はうつむいたまま下唇を噛み締める。




「……いや、違うんだ」


「え?」


「…………」


「悠人さん?」






ダメだ俺…

俺も相当、酔ったのかも。









「イツキさん…悠人さんにお水とか頂けますか?」


「あらあら、悠人ちゃんったら仕方ないわねぇ」



心配する綾音に、イツキさんは小さく笑いながら俺に水を差し出した。




「…………」


俺はグラスに口をつける。


冷たい微炭酸のミネラルウォーターに頭がスッとするようだった。





「男と女って複雑よねぇ」



イツキさんはそれだけ言うと、気を効かせるように俺たちの前から離れ、グラスを白い布巾で拭き始めた。



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