俺はその時、どう行動するか。

「悠人さん疲れました？もうロッジに戻りますか？」



綾音はまだ心配そうに眉を下げている。




「いや…まだもう少しだけ」


「あ、はい…」




ようやく小さく笑う俺に、綾音も少し安心したように優しく笑う。




「あのさ…俺…」


「ん？なんですか？」


「…………」






このタイミングで綾音に俺の気持ちを相談をしたら…


その時点でもはや澪への裏切りなのかもしれない。



でも俺は聞いて欲しかった。






「正直さ…今ちょっと分かんないんだ」




この時の俺は、心配してくれる綾音にただ優しくなぐさめて欲しかった。






でももしかしたら無意識の中で

澪と別れる覚悟で綾音を選ぼうとしていたのかもしれない。